国内初、建物解体現場の廃棄窓ガラスをフロート板ガラスの原料に活用

廃棄窓ガラスを建築用板ガラスに水平リサイクル

プレスリリース

株式会社大林組
AGC株式会社
株式会社三菱UFJ銀行

株式会社大林組(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:佐藤俊美、以下、大林組)とAGC株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平井良典、以下、AGC)は、大林組が請け負う解体工事で発生する廃棄窓ガラスを、建築用フロート板ガラス製造原料の一部として使用し、建築用途で循環利用するとともに、大林組が施工する建設現場での活用を進める水平リサイクル(※1)フローを構築しました。

本フローの適用第一弾として、株式会社三菱UFJ銀行(本社:東京都千代田区、取締役頭取執行役員:大澤正和、以下、三菱UFJ銀行)の本館解体工事で発生した廃棄窓ガラスを回収し、リサイクル工程へ供給しています。

解体現場由来の廃棄窓ガラスを原料の一部として使用し、フロート法(※2)で板ガラスを製造する事例は国内初(※3)であり、本フローを通じて、建設資材における資源循環の高度化および脱炭素社会の実現に貢献します。

大林組の解体現場で回収した廃棄窓ガラスを中間処理業者が選別、カレットに加工し、AGCがフロート板ガラスの原料の一部に用いて、大林組の建設現場に納入する流れ
廃棄窓ガラスを原料の一部としてフロート板ガラスへ再生する水平リサイクルフローのイメージ図
  • 回収設備を用いて解体建物内の窓ガラスを取り外す様子
  • 複数の作業員が大型窓ガラスを回収設備で搬出する様子

三菱UFJ銀行本館解体工事における廃棄窓ガラスの回収工程

背景

2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、建設業界では建設物のライフサイクル全体のCO2排出量であるホールライフカーボン(※4)の削減につながる取り組みを進めています。その中でも設計、施工段階で発生するアップフロントカーボン(※5)は建設会社による削減の余地が大きく、リユースやリサイクル建材を積極的に採用する資源循環の活動が重要です。

大林組は資材製造時のCO2排出量が大きい鋼材に着目し、2024年6月に国内初となる建物解体後の鉄骨構造部材を新築建物へリユースする取り組みを始め、同年11月には鉄スクラップ、2025年12月にはアルミスクラップの水平リサイクルフローを構築するなど、リユースのための設計手法の検討、技術開発や、リサイクルのための最適な輸送フローの構築といったさまざまな建設資材の循環利用に取り組んでいます。

AGCは、自治体や民間企業と連携して、解体現場で発生する廃棄窓ガラスの回収から中間処理、カレット(再生原料)の供給までを一連とする仕組みの構築を進めています。カレットの品質確保と安定供給体制の整備に注力するとともに、関係者と協働して運用ノウハウを蓄積し、建築用ガラスの循環利用の一層の拡大を目指します。

三菱UFJ銀行は、2030年10月「MUFG本館」竣工に向け、2025年2月より三菱UFJ銀行本館の解体工事に着手、2026年4月には新築工事に着手しています。MUFG本館は、持続可能な社会の実現・環境負荷低減に積極的に貢献する建築計画とし、その工事工程においても、「世界が進むチカラになる。」という三菱UFJフィナンシャル・グループの存在意義(パーパス)のもと、関係者の皆様と協業し環境負荷低減に資する取り組みを進めています。今回、大林組とAGCの取り組みに賛同し、三菱UFJ銀行本館解体工事で発生する廃棄窓ガラスを提供するに至りました。

三菱UFJ銀行本館解体工事における取り組みと水平リサイクルの適用効果

本フローの適用第一弾となる三菱UFJ銀行本館解体工事(東京都千代田区)では、発生した廃棄窓ガラスを回収し、中間処理工程を経てカレットに加工した上で、AGC鹿島工場(茨城県神栖市)へ搬入します。鹿島工場では、高い原料品質が求められるフロート法にて、このカレットを原料の一部として使用し、透明なフロート板ガラスを製造します。製造された板ガラスは建築用途に活用され、その一環として大林組が施工する建設現場での利用を予定しています。

従来のガラスリサイクルでは、廃棄ガラスを型板ガラスや網入りガラスにリサイクルしていましたが、本フローの適用により、汎用性の高い透明フロートガラスの原料の一部として活用するリサイクルを実現し、建築用板ガラス全体への展開が可能となりました。これにより、ガラスリサイクルのさらなる拡大・高度化を後押しするとともに、資源の循環利用促進と製造・輸送に伴う環境負荷の低減に資するサプライチェーン構築が期待できます。

三菱UFJ銀行本館解体工事(床面積:約12万m2)における本フロー適用効果

リサイクルした廃棄窓ガラス量
(グラスウール再生分含む)
149t
水平リサイクルした廃棄窓ガラス量
(板ガラスに再生された量)
81t
水平リサイクルによるCO2排出削減量
(※6)
49t

今後の展望

大林グループは、長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、「地球・社会・人」と自らのサステナビリティを実現するために多様な環境の取り組みを進めています。建設資材の循環利用を推進していくなかで、関係事業者との連携強化や管理ノウハウの蓄積を図ることで、建設資材のリサイクル、リユース、資源の有効活用プロセスの確立に取り組み、循環型経済と脱炭素社会の実現に貢献していきます。

AGCグループの中期経営計画AGC plus-2026では、当グループが提供する3つの社会的価値を示しています。このうち「Blue planet」では、資源の有効利用を重要機会ととらえ、ガラスの水平リサイクル拡大を通じて持続可能な地球環境の実現に貢献します。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、2021年5月にカーボンニュートラル宣言を行い、2030年までに自らの温室効果ガス排出量ネットゼロ、および2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量ネットゼロ達成を目指しています。

大林組、AGCと三菱UFJ銀行の3社は、三菱UFJ銀行本館解体工事を通じて、資源循環の高度化と脱炭素社会の実現に貢献していくとともに、大林組とAGCは、今回構築したフローを継続的に運用し、適用範囲の拡大を目指すことで建設資材の循環利用をさらに推進していきます。

Obayashi Sustainability Vision 2050の実現に向け、建設を中心に、サーキュラーコンストラクション、グリーンインフラ、農林水産活用、地域共創・自然共生、再生可能エネルギー、ソリューションイノベーションの6つの取り組み領域を示した図
  • ※1 建設業界で掲げる水平リサイクルについて
    コンクリート塊を再生コンクリート骨材、アスファルト・コンクリート塊を再生アスファルト合材として再生利用するなど、建設廃棄物を元の建設資材に再生資源化することや、貴重な資源を最終処分せずに有効利用を進めること
    なお、本リリースにおけるガラスの水平リサイクルは、廃棄窓ガラス(建築用板ガラス)を建築用フロート板ガラスの原料の一部として循環利用するものであり、製造される板ガラスの原料のすべてを廃棄窓ガラスで代替するものではありません
  • ※2 フロート法
    板ガラスの製造方法の一つ。溶融したガラスを溶融金属(錫:すず)の上に浮かべて連続的に成形することで、平滑で均一な板ガラスを製造する方法
  • ※3 AGC調べ(2026年5月)
    解体現場から出る廃棄窓ガラスをフロート板ガラスの原料の一部としてリサイクルする取り組みとして国内初
  • ※4 ホールライフカーボン
    建設資材の製造、輸送を含む施工、運用、解体、廃棄されるまでの建物のライフサイクルで発生するCO2排出量
  • ※5 アップフロントカーボン
    建設資材の製造段階(原材料調達、輸送、製造)および、施工段階(現場への輸送、施工)に発生するCO2排出量
  • ※6 CO2排出削減量について
    板硝子協会「 板ガラスリサイクルビジョン~ファーストビジョン2025~」より試算

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組コーポレート・コミュニケーション室広報課
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AGC広報・IR部
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プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。